知事からのメッセージ(令和5年3月9日木曜日)
メッセージ
本日は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく協力要請の改訂など、新型コロナウイルス感染症に関する政府の方針を踏まえた本県の対応につきまして、御報告申し上げます。
まず、感染状況ですが、本日公表の病床使用率は6.7パーセントと一桁台まで低下してきておりまして、相当程度の余力が確保できている状況でございます。
新規感染者数ですが、今月3日から本日までの7日間累計で670人と、1週間当たり600人台となっておりまして、これは昨年7月上旬以来の8か月振りの水準となっております。
インフルエンザですが、先月27日から今月5日までの1週間の定点医療機関当たりの患者数は、2.90人と、これは前週の3.37人と比べて減少をしておりまして、流行期入りの水準に踏みとどまっている状況であります。
次に(新型インフルエンザ等対策)特別措置法第24条第9項に基づく協力要請の改訂と期間延長について申し述べます。
まず、協力要請につきましては、先ほど開催いたしました対策本部会議におきまして、マスク着用に関する要請の見直しなどを内容とする改訂と、5月7日までの期間延長を決定いたしました。
今回の改訂及び延長は、一つには、政府対策本部におきまして、「マスク着用の考え方の見直しについて」が決定され、今月13日から適用が開始されること、そして、新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけが、5月8日から「5類感染症」に引き下げられること、これらを踏まえたものであります。
改訂のポイントですが、まず、マスク着用に関しましては、今月13日以降、「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねる」との方針に改められることとなります。
この方針を受けまして、「マスク着用」は、これは県の方ですけれども、原則的に「自らを感染から守るための行動」と整理をし、感染しやすい場面を必要最小限に特定した上で、着用をお願いすることといたします。
その上で、「他者への感染を防ぐために」マスクを着用すべき場面も、引き続き想定する必要があります。
すなわち、重症化リスクの高い方々を感染から守る観点から、医療機関や高齢者施設などにおいて着用する場合や、御自身に発熱等の症状があり、或いは御自身か同居家族が、検査陽性となっているケースで、やむを得ず外出せざるを得ないような時に、着用する場合であります。
こうした場合におけるマスクの着用は、社会的に必要な感染防止対策として、引き続き、お願いすることといたします。
また、「5類感染症」への引き下げに伴いまして、日常の回復に向けて行動制約を必要最小限とする観点から要請内容を見直し、「在宅勤務や時差出勤など人との接触を低減する取り組みの実施」などの項目につきましては、これを撤廃することといたします。
期間延長の考え方ですが、「5類感染症」に引き下げるまでの間、5月7日まで延長いたします。8日以降はこの要請自体も期間満了をもって終了する予定でございます。
山梨県は、これまで県民の皆様の命と健康を守るため、変転する感染状況に応じて要請内容を機動的に見直しつつ、この協力要請を軸として県民の皆様とともに、コロナと対峙して参りました。
いわば、この協力要請の改定の歴史というのは、コロナとの戦いの変遷の歴史・記録とも言えようかと思います。
ウィズコロナへの本格的な移行を目前に控えまして、本要請に基づく感染防止対策の展開も、いよいよ最終フェーズに入って参りました。
県民の皆様方におかれましては、ここに至るまでの深甚なる御理解と積極的な御協力に対し、心から感謝を申し上げます。
また、冒頭申し上げましたとおり、現在、感染状況は小康状態にありますが、さはさりながら、毎日一定程度の新規感染者が発生しております。県民の健康が脅かされている状況にあるということには変わりはございません。
従いまして決して油断することなく、引き続き、協力要請に基づいて、基本的な感染防止対策の徹底、或いはワクチン接種の積極的な御検討など、御自身と周囲の皆様の健康を守る取り組みに、御留意を賜りたいと思います。
次にグリーン・ゾーン認証基準の改定について申し述べます。
このグリーン・ゾーン認証に関しましても、今月13日から認証基準からマスク着用に関する項目を削除し、運用することといたします。
具体的には、「利用者の飲食時以外のマスクの着用」及び「従業員のマスク着用遵守」の文言を削除するものであります。
一方で国からは、「マスクの着用は個人の判断に委ねられるか、事業者が、感染対策上または事業上の理由等により、利用者または従業員にマスクの着用を求めることは許容される」旨が示されております。
事業者から、マスクの着用を求められた場合には、御協力をお願いしたいと思います。
なお、グリーン・ゾーン認証制度そのものにつきましては、国の対処方針が5月8日に廃止されることに伴いまして、この方針に基づく第三者認証制度がなくなるため、そのタイミングに合わせて見直しを行いたいと考えております。
本県のグリーン・ゾーン認証制度ですが、県内ほぼ全ての飲食業者そして宿泊業者などが認証を取得していただいております。これによりまして、山梨県そのものが、「安全・安心な地域」というブランドを獲得できたと認識をしております。
従いまして、見直しの方向性としましては、このブランド価値を維持しつつ、5類感染症への引き下げの対応や、今後の新興感染症への対応も見据えた制度として参りたいと考えております。
次に、「5類感染症への引き下げ」に伴う医療体制の見直しについて申し述べます。
見直しの内容は、明日、政府において正式決定される見通しです。
この見直しによりまして、医療体制は、これまでの、行政の関与を前提とした限られた医療機関による「特別な対応」から、幅広い医療機関で患者さんを診ていただく、「通常の対応」に移行してくこととなります。
県としての具体的な対応につきましては、明日の政府の決定内容を確認の上、専門家の先生方とも相談しながら検討を進めて参ります。
なお、対応が決定したものから、順次、御報告をしたいと思います。
最後に、「マスク着用の考え方の見直し」に伴いまして、来庁者への対応について申し述べます。
県の各庁舎への御来庁が、特に重症化リスクの高い方々への感染の契機とならないように、引き続き留意していく必要があります。
このため、庁舎のエリアごとに、現場を預かる所属長が、マスク着用をお願いする場合を個別にきめ細かく判断させていただきますので、何卒御理解を賜りますようお願い申し上げます。
なお、本庁舎におきましては、一律にはマスク着用を求めないことといたしますが、重症化リスクの高い方に感染させない配慮として、必要に応じ御来庁の皆様にマスク着用を依頼する場合がありますので、その際は御協力をお願い申し上げます。
最後ですが、この3年に及ぶコロナ禍は、命や健康への直接的な危機はもとより、経済、或いは生活、さらに人びとの行動の在り方に至るまで、私たちの社会に大変大きな影響をもたらしました。
このため、「5類感染症への引き下げ」は単なる制度変更にとどまらず、いわば社会の転換点ととらえるべきものであろうかと考えます。
県としてなすべきは、この転機におきまして、スムーズに着地ができるようにすること、様々な混乱ですとか、悪影響をもたらさないように、社会の様々な側面に目配りをして参りたいと思います。
また、併せまして、ウイルス自体がなくなるわけではありませんので、私どもとしては、必要とする人に必要な医療を届ける、この大原則は今後とも、しっかり堅持をして参りたいと思います。